2人のスーツをどうコーディネートするか
Written by Kenji Tanaka
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同性カップルのウェディングでは、2人の新郎がどのようなスーツを着るかという、少し興味深いデザイン上の問題があります。
2人ともまったく同じスーツを着るのか。同じ生地を使いながらデザインを変えるのか。色だけを合わせるのか。それとも、それぞれ異なるスーツを選ぶのか。
答えは一つではありません。
むしろ大切なのは、「どこまで合わせるべきか」と考えることではなく、結婚式当日に2人で並んだとき、どのような姿でありたいかを考えることです。
まったく同じスーツにする
2人がまったく同じスーツを着ることは、非常に美しい選択肢です。
同じ生地、同じ色、同じジャケット、同じパンツ、同じシャツまで揃えることで、2人の間に強い一体感が生まれます。特に結婚式の写真では、左右対称のような美しさが際立つことがあります。
「せっかくの結婚式だから、2人とも同じスーツを着たい」と考えるのは自然なことです。
ビスポークだからといって、必ずしも2人の違いを表現しなければならないわけではありません。2人が同じデザインを気に入っているのであれば、同じものをそれぞれの身体に合わせて仕立てることにも大きな意味があります。
共通点を残しながら、デザインを変える
一方で、同じ生地や色を使いながら、ジャケットのデザインやシルエットを変える方法もあります。
例えば、同じネイビーの生地を使い、一人はシングルブレスト、もう一人はダブルブレストにする。あるいは、同じ生地でも、一人はクラシックなシルエット、もう一人はより現代的でミニマルなシルエットを選ぶこともできます。
共通の要素は、ジャケットだけとは限りません。パンツ、シャツ、シューズ、ボウタイ、ポケットチーフなど、一部のディテールだけを揃えることもできます。
ビスポークでは、ラペルの幅、肩の構築、ウエストの絞り、ジャケット丈、パンツのシルエットなどを、それぞれの身体や好みに合わせて調整できます。そのため、共通の生地や色を使いながら、それぞれに似合う形を作ることができます。
色を変えて、フォーマル感を揃える
2人のスーツの色をあえて変える方法もあります。
例えば、片方をミッドナイトブルー、もう片方をチャコールグレーにする。あるいは、片方はライトグリーンで、もう片方はアイボリー。
この場合、重要なのは必ずしも色を揃えることではなく、2人の服装全体のフォーマル度を揃えることです。
生地の質感、仕立て、シャツ、シューズ、アクセサリーなどがバランスよくまとまっていれば、異なる色でも2人のスーツは一つのウェディングスタイルとして成立します。
会場、時間帯、セレモニーの形式、結婚式全体の雰囲気なども、色の組み合わせを考える際の重要な要素になります。
一人はタキシード、一人はディナージャケット
さらに明確なコントラストを作る方法として、一人がクラシックな黒のタキシード、もう一人が異なる色や素材のディナージャケットを着るという選択肢もあります。
どちらもフォーマルウェアでありながら、デザインや素材を変えることで、それぞれの個性を表現できます。
この場合も、何か一つ共通する要素を残すことで、2つのスタイルを自然につなげることができます。例えば、黒いパンツを2人で共有するだけでも、全体に明確なつながりが生まれます。
実際のウェディングでも、2人が異なるジャケットや素材を選びながら、パンツなどの共通点を持たせることで、一緒に並んだときにまとまりのあるスタイルを作ることができます。
2着を並べたときの見え方を考える
ウェディングウェアでは、通常、それぞれの服を個別に考えることが多いものです。例えば異性間の結婚式では、新婦が選ぶウェディングドレスと新郎が選ぶスーツは、それぞれ別々に決められることが一般的です。新婦のドレスを新郎が結婚式当日まで知らないことさえあります。
一方、2人ともスーツを着る場合には、2着のスーツを一つのウェディングスタイルとして考えるという、興味深いデザイン上の視点が生まれます。
もちろん、必ずしも2人で相談しながらスーツを選ぶ必要はありません。それぞれが別々に仕立てて、どんなスーツを選んだのかを当日まで秘密にしておくのも、結婚式ならではの楽しみ方の一つです。当日初めてお互いの姿を見て、結果としてどのような組み合わせになったのかを楽しむこともできます。
一方で、2人で相談しながら、最初から一つのウェディングスタイルとしてスーツを考えることもできます。
大切なのは、それぞれのスーツが単体でも完成していること。そして、意図的に揃える場合も、偶然の組み合わせになる場合も、セレモニー、レセプション、写真の中で2人が並んだときに、それぞれの個性が自然に感じられることです。
例えば、一人はクラシック、もう一人はコンテンポラリーなスタイルを選ぶこともできます。あるいは、2人とも同じデザインを選びながら、それぞれの身体に合わせて仕立てることもできます。
uniontailorsでは、最初から「ここは揃える」「ここは変える」と決めるのではなく、それぞれの好み、体型、個性、そして結婚式全体の雰囲気を考えながら、どこに共通点を持たせ、どこに違いを作ると最も美しい組み合わせになるかを提案します。
私たちが考えるインクルーシブなビスポークとは、特定のスタイルや価値観を押しつけることではありません。 LGBTQ+のカップルを含め、一人ひとりの好みや感覚、身体、ライフスタイルを理解し、その人にとって自然な服を一緒に考えることです。
正解は一つではない
2人の新郎のウェディングスーツには、決まったルールはありません。
まったく同じスーツでもいい。同じ生地でデザインを変えてもいい。色だけを合わせてもいい。それぞれまったく異なるスーツを選んでもいい。タキシードとディナージャケットを組み合わせることもできます。あるいは、それぞれが別々にスーツを選び、当日までお互いに秘密にしておくこともできます。
重要なのは、「同性カップルだからこうする」というルールではなく、2人自身が結婚式の日にどのように見えたいかです。
LGBTQ+のカップルにとっても、ウェディングウェアの選択肢は一つではありません。伝統的なスタイルを選ぶことも、より現代的なスタイルを選ぶことも、2人だけの組み合わせを作ることもできます。
ビスポークの魅力は、同じデザインを2人の身体に合わせて仕立てることも、同じ生地から異なるデザインを作ることも、異なる色や素材を組み合わせながら一つのウェディングスタイルにまとめることもできることにあります。
そして、ビスポークは単にお客様が選んだものを形にするだけではありません。
それぞれの好みや感覚を理解したうえで、2人が並んだときに何を揃え、何を変えると最も自然で美しいのかを一緒に考えること。それもまた、インクルーシブなビスポークテーラリングの大切な役割だと考えています。
2人のスーツをどこまで同じにするか、どこから違わせるか。その答えは、2人の個性と結婚式のスタイルによって変わります。
大切なのは、2着を別々の服としてではなく、2人が並んだときに完成する一つのウェディングスタイルとして考えることです。