パターン補正(Pattern Alterations)
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ビスポークやオーダーメイドの衣服を製作する最大の利点の一つは、お客様一人ひとりの体型に合わせてパターンを修正し、より理想的なフィットを実現できることです。
今回は、既製服を購入した際によく見られる代表的なフィッティングの問題をご紹介します。
(※本記事内の写真は、各問題点を分かりやすく示すため、意図的に撮影したものです。)
胸のツキジワ(Chest Breaking)

ジャケットの胸幅が狭すぎる場合、または着用者の胸囲がジャケットに対して大きすぎる場合に発生します。一般的にラペルの折返し線が浮きます。又、着用者は前見頃アームホールが窮屈に感じる場合が多いです。
襟のツキジワ(Collar Roll)

後ろ襟のすぐ下に横ジワが現れる状態です。
既製のジャケットやスーツで最もよく見られる問題の一つで、主な原因は以下の2つです。
- 着用者の姿勢
- 肩が高い体型(怒り肩)
この問題の厄介な点は、自分では鏡で確認しにくいことです。そのため、サイズが合っていなくても販売スタッフから指摘されないことも少なくありません。
襟が抜ける/抜きえもん(Collar Gap)

ジャケットの襟とシャツの襟の間に隙間ができる場合、そのジャケットはあなたの体型に合っていません。
ジャケットの襟は、首の後ろに自然に沿って密着しているのが理想です。
これはネックライン・肩・襟のバランスによって決まります。
前身頃の突っ張りジワ(X Shape)

第一ボタンを留めた際に、前身頃へ大きなX字状のシワが現れる場合は、ジャケットが細すぎることを意味します。
近年はスリムフィットが人気ですが、細すぎるサイズは適切なフィットとは言えません。
袖ねじれ/スリーブピッチの不一致(Twisted Sleeve / Wrong Sleeve Pitch)

袖の外側にシワが入る場合、腕を自然に下ろした角度と、袖の付け角度(スリーブピッチ)が一致していないことが原因です。
多くの場合、袖の角度が前方に付きすぎています。(上写真例)
下の図では、さまざまなスリーブピッチ(袖付け角度)の違いをご覧いただけます。

後ろ股ぐりのダブつき(Excess of Fabric on the Back Rise)

後ろ股ぐりに縦ジワが現れる場合は、後ろ股ぐりのカーブがヒップの形状に合っていないことを意味します。
この場合は、後ろ股ぐりのカーブをより深く修正する必要があります。
ヒップのつっぱり(Tight Seat)

ヒップのすぐ下に横ジワが現れる状態です。
主な原因は以下の2つで、両方が重なる場合もあります。
- 渡り幅不足
- 着用者の姿勢 (下図参照)

腹部反身(平尻)&腹部屈伸(出尻)/脚の姿勢 (Twisted Legs / Leg Posture)

パンツ脇線に斜めのシワが現れる場合は、脚を自然に立った状態での角度と、パンツの設計された角度が一致していないことが原因です。
下の図では、脚の姿勢の違いをご紹介しています。

実際のケーススタディ
私たちは、お客様が既製スーツを着用された際の実例を数多く記録しています。
既製服を試着していただくことで、さまざまな体型や姿勢に対して生地がどのように反応するかを観察できます。
これらの情報は、お客様一人ひとりに合わせたパターン設計や、生地の裁断方法を決定するうえで非常に重要な判断材料となっています。
ケーススタディ / 既製スーツを着用されたお客様の実例