シャツ生地の「80/1」「100/2」って何? 糸番手を理解する
Written by Kenji Tanaka
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シャツ生地の説明を見ると、80/1、80/2、100/2、120/2などの数字が書かれていることがあります。
これは一体、何を意味しているのでしょうか。
Yarn Count(糸番手)とは?
Yarn Countとは、糸の線密度、つまり糸の太さ・細さを表す方法の一つです。
シャツ生地でよく使われる**英式番手(Ne / English Cotton Count)**では、数字が大きくなるほど糸は細くなります。
Neは、1ポンドの糸に840ヤードの長さが何本分あるかを表します。
例えば、
- Ne 1 → 840ヤード
- Ne 10 → 8,400ヤード
- Ne 80 → 67,200ヤード
となります。
同じ1ポンドの重さで、より長い糸が取れるほど、その糸は細いということです。
そのため、80番手より100番手、100番手より120番手のほうが細い糸になります。
「/1」と「/2」は何?
数字の後ろにある「/1」や「/2」は、糸の構造を表します。
80/1
→ 80番手の単糸(single yarn)
100/2
→ 100番手の単糸を2本撚り合わせた双糸(2-ply)
120/2
→ 120番手の単糸を2本撚り合わせた双糸
という意味です。
ここで注意したいのが、120/2だから240番手という意味ではないということです。
「120」は完成した双糸の番手ではなく、その双糸を構成している単糸の番手を示しています。
同じNe 120の単糸を2本合わせると、完成した糸の線密度は2倍になるため、理論上はNe 60相当になります。
それでも、その糸の構成は120/2と表記します。
なぜ高番手の糸を2本合わせるのか?
番手が高くなるほど、糸は細くなります。
細い糸は単糸のままでは強度や安定性の面で不利になるため、特に高番手の生地では、2本以上の糸を撚り合わせたplyが使われることがあります。
複数の糸を撚り合わせることで、糸としての強度や均一性、安定性を高めることができます。
そのため、シャツ生地では100/2や120/2のような表記をよく目にします。
高番手ほど高級なのか?
一般的には、高番手の糸を使用した生地ほど価格が高くなる傾向があります。
また、より細い糸を使うことで、滑らかで柔らかな、繊細な手触りの生地を作りやすくなります。
しかし、高番手=必ず高品質というわけではありません。
綿そのものの品質、紡績、撚り、糸の構造、織り方、生地密度、仕上げなど、シャツ生地の品質にはさまざまな要素が関係します。
番手は、生地を見るうえで重要な情報の一つですが、それだけで生地の価値が決まるわけではありません。
シーツの「200」とは違う?
お客様から、「シーツでは200や300という数字を聞きますが、シャツの120番手と比べるとどうですか?」と聞かれることがあります。
ここで注意したいのが、「番手」という言葉が必ずしも同じ意味で使われているわけではないということです。
シャツ生地で説明した**Yarn Count(Ne)**は、糸そのものの線密度を表す指標です。
一方、ベッドリネンなどでよく使われる**Thread Count(TC)**は、1平方インチあたりの生地に織り込まれた経糸と緯糸の本数を合計したものです。
例えば、
経糸100本 + 緯糸100本 = 200 TC
となります。
つまり、シーツの200 TCは「200番手の糸」という意味ではありません。
そのため、シーツの200とシャツの120を数字だけで比較することはできません。
「番手」や数字を見たときには、まず何を数えている数字なのかを理解することが大切です。